【ベトナム】国内IPO、11月15日までに3件のみ[金融]

米系大手監査法人デロイトが発表した今年1月~11月15日までの東南アジアにおける新規株式公開(IPO)の実施結果報告によると、ベトナムでは3件実施され、調達した金額は計711万米ドル(約10億6,000万円)にとどまった。17日付トイバオ・タイチン電子版などが報じた。

IPOを実施したのは、ドンズオン建設貿易社、トゥーハイハナム社、ホアンザー(ロイヤル)生産投資社の3社。

IPOが低調なのは、IPOの承認と株式上場のプロセスが厳格化されたことに加え、世界の不安定な情勢を背景とする外国人投資家の資金引き揚げが市場流動性に影響しているためだ。デロイトは2022年からのVNインデックス(ホーチミン証券取引所の全上場銘柄の値動きを示す株価指数)の低迷も、IPOの計画延期につながったとみている。

デロイト・ベトナムの保証サービス担当責任者のブイ・バン・チン氏は、最近株価指数は回復傾向にあるものの、21年から22年初頭にかけてのピーク時にはほど遠いと指摘。来年以降には政府の景気刺激策や株式市場へのてこ入れにより、投資家の信頼が回復する可能性があるとの見方を示した。

同期間の東南アジア全体のIPOは153件で計約55億米ドルを調達した。うちインドネシア、タイ、マレーシアの3カ国が計約54億米ドルで98%を占めた。トップはインドネシアで77件、36億米ドルだった。

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