南砺で海外客高級ツアー 24年度に市がとやま館、三越と連携

とやま館で始まった南砺の魅力を発信するフェア=東京・日本橋

  ●合掌造り、井波彫刻など魅力 1月、旅行会社招き造成

 南砺市と富山県アンテナ店「日本橋とやま館」は来年度、三越伊勢丹グループの旅行代理店と共同で、南砺市を舞台にした外国人富裕層向けのツアーを造成する。来年1月にはインバウンド(訪日客)を扱う旅行会社向けのモニターツアーを実施して外国人に特化した中身とする。高級ツアーに定評がある代理店とタッグを組み、世界遺産の合掌造り集落、「木彫刻のまち井波」などを有する南砺の魅力を海外に発信する。

 日本橋三越本店と日本橋とやま館が隣接する縁もあり、地域と連携した事業に力を入れる三越側からツアー造成の協力依頼があった。三越伊勢丹ニッコウトラベル(東京)が主体となる。

 オーバーツーリズム(観光公害)が課題となる中、地方誘客の注目度が増しており、観光庁の支援事業も活用する方針。年明けに南砺市や市観光協会との協議、現地視察や意見交換、有識者の指導を受けて旅行商品を作る。来年春以降に実施する計画だ。とやま館が地域との調整、PRなどを担う。

 試験的に来年1、2月には国内客向けのツアーを実施する。東京駅から北陸新幹線で富山に入り、1泊2日で井波別院瑞泉寺での写経体験や五箇山の観光、木彫刻体験などを行う。

  ●フェアで逸品紹介

 ツアー実施を前に、とやま館でフェア「南砺の逸品~先人の知恵と技~」を開催しており、地酒やあんぽ柿、小矢部川産の自然石「玉石」で作った器などが並び、魅力を紹介している。来月3日までの会期で同2、3日には旅の担当者が館内で旅行相談に応じる。

 今月22日からは日本橋三越本店のトラベルサロンで、南砺のツアーを紹介するほか、井波彫刻の獅子頭の展示も行う。とやま館の担当者は「南砺の旅を通じて、日本の原風景を感じてもらいたい」と話した。

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