JR東日本は21日、利用者が少ない地方路線の2022年度の収支を公表した。岩手県関係で該当する大船渡、釜石、北上、八戸、花輪、山田の6路線10区間の収支は全て赤字で、総額は94億2200万円。経営が厳しい地方路線の存廃を国主導で議論する再構築協議会について、同社は県内路線では当面、設置を要請しない方針だが、維持に向け利用促進が欠かせない。
本県関係で赤字額が最も大きかったのは山田線の上米内－宮古間の16億円。次いで、大船渡線の一ノ関－気仙沼間の14億2700万円、釜石線の遠野－釜石駅間の12億3900万円と続いた。
同社は昨年7月、持続可能な交通の在り方について、沿線自治体と協議を進める参考として、地方路線の区間別収支を初めて公表した。新型コロナウイルス禍前の19年度も本県の6路線10区間は大幅な赤字で、22年度も同様の傾向となった。
