県米政策推進会議、生産目安は今年と同程度 24年産、減産体制から転換へ

 県米政策推進会議(会長・藤科智海山形大農学部教授)で県は22日、2024年の県産主食用米の「生産の目安」について、新型コロナウイルス禍で増えた民間在庫の消費が進んでいる点などを踏まえ、23年産の31万6100トンと同程度とする方針を示した。コロナ禍で、近年は生産量を減らしていたが、5年ぶりに減産体制から転換することになる。

 「生産の目安」は、政府による主食用米の生産調整(減反)廃止に伴い、18年産からの本県独自の取り組み。農林水産省が示す全国の需給見通しに、過去6年平均の市場での県産米シェア率を乗じ、県産ブランド米「つや姫」「雪若丸」の需要増分などを加減して算定している。政府が示した24年産の主食用米等生産量の見通しは669万トンで、本県シェア率は4.78%。いずれも昨年と同程度で、需要減は11万トンと見込まれる。

 県は6月末時点の県内の民間在庫量が、コロナ禍前と同水準だった点や、はえぬきの業務用需要が回復傾向にあることなどを受け「減産する状況ではない」と判断した。一方、これまで減産を続けてきたことを踏まえ、急な増産への転換は生産現場で混乱を招くことを配慮し、23年産と同程度(31万6100トン、作付面積5万2860ヘクタール)とする方針を固めた。

 会議では、目安に対する今年の作付け実績が460ヘクタール不足しているとの指摘があった。目安に沿った生産のため、市町村や生産者に割り当てる面積の算定方法について、改善の必要性も議論した。24年産の「生産の目安」は、30日に開かれる県農業再生協議会の臨時総会で正式に決定する。

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