【MLB】強打の三塁手を失ったマリナーズ 穴埋めの大型補強はあるか

写真:ダイヤモンドバックスへトレード移籍したスアレス

11月22日(日本時間23日)、マリナーズは三塁手のエウヘニオ・スアレスをトレードでダイヤモンドバックスに放出。対価として獲得したのは捕手のゼビー・ザバラと新人リリーフ投手カルロス・バルガスだった。

マリナーズが放出したスアレスの契約は2024年までだが、2025年には1500万ドルの球団オプションがついており2年間保有可能な選手だ。マリナーズ側としては1100万ドルの来季年俸を削減する意味合いもあっただろう。

しかし、スアレスの抜けた穴を埋めるのは簡単ではないように思える。2022年からマリナーズに加入したスアレスはこの2年で欠場したのは12試合だけ。今季は162試合全てに出場し、そのうち159試合は三塁手として守備にもついた。2016年から8年連続で規定打席到達しており、この期間中の出場試合数は全選手中4位とMLB有数の故障への強さを誇る。マリナーズでは2年連続で打率.230台かつ三振率も30%を超えるなど打撃に安定感のある選手ではないが、20本塁打以上を見込める長打力と試合に出場し続ける耐久性は代えがたいものだったはずだ。

スアレスが抜けた三塁手の候補は、現有戦力ではルイス・ウリアスが第一の選択肢だろう。ブリュワーズで2021年に23本塁打を記録したことのあるウリアスは、今夏のトレードデッドラインでレッドソックスへ移籍。故障者リスト入りしてシーズンを終えるなど、今季は2チームあわせて52試合の出場で打率.194、3本塁打、OPS.636という不振に終わったことでノンテンダー候補になっていたが、11月17日にトレードでマリナーズへと移籍してきた。

マリナーズとしてはウリアスの復活に期待する形だが、故障があったとはいえこの3年でワーストの成績を出した選手に三塁手を全面的に任せるのはやはり心もとない。少なくとも162試合に出場したスアレスの穴埋めを今季故障がちだったウリアスだけでまかなうのは無理があるだろう。

MLB公式のジョン・モロシ記者は、「このスアレス放出によって、FAとなっている三塁手ジェイマー・キャンデラリオがマリナーズの選択肢となる」と話す。強打の三塁手の放出は、単なる年俸削減に終わるのか、あるいはこれからの大型補強の布石なのか。今季は2ゲーム差でポストシーズンを逃したマリナーズは、若手選手が充実しており来季も十分戦える戦力を持つ。来季勝負するならばここからさらに大きな動きがあるはずだ。

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