アタランタが8年連続で黒字を達成 ガスペリーニ監督はビッグクラブとの経済格差について語る

写真:アタランタで8シーズン目を迎えたガスペリーニ監督

サッカー界で財政問題が話題になっている中、セリエAのアタランタは8年連続で黒字を達成したという。

アタランタは今シーズン、セリエAで6勝2分け4敗の勝ち点21で5位につけており、UEFAヨーロッパリーグ(EL)では3勝1分けでグループDの首位に立っている。

アタランタは2023年6月30日時点で、560万ユーロ(約9億720万円)の純利益で決算を終え、2016年から8年連続で黒字決算が続いていると、イタリアの分析サイト『Calcio e Finanza』が報じている。

分析によると、アタランタの2022-23シーズンの売り上げは1億9,540万ユーロ(約316億5000万円)で予算経費は1億8,560万ユーロ(約300億6000万円)と報告されており、結果的に純利益は560万ユーロ(約9億720万円)になったという。2022-23シーズンはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)に出場できず、賞金や多額のテレビ放映権料を獲得できなかった。代わりに、クリスティアン・ロメロをトッテナム、レモ・フロイラーをノッティンガム・フォレスト(現在:ボローニャにレンタル移籍中)、ロビン・ゴーゼンスをインテル(現在:ウニオン・ベルリン)に売却したことで多くの収入を得られたと分析している。

アタランタの成功の鍵は、優秀なスカウトとアカデミーシステムと言われている。絶えず新たな才能を見つけ出して、高額の移籍金で売却するという経営戦略を行っている。

アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は、イタリアのラジオ『Radio Serie A』のインタビューに応じ、ビッグクラブとの経済格差について語った。

「ビッグクラブは膨大な力を持っており、経済格差は顕著だ。最大の利益はテレビ放映権料から得られるが、均等に分配せれないので、競争することでさえ困難だ。欧州の他の国では、恐ろしいほどの赤字予算を抱えているチームがある。アタランタは多額の借金を抱えることはできないが、他のクラブはそれを支払う余裕がある」

「トップに留まり続けるには、競争力のある選手と契約し続ける必要がある。しかし、高額なオファーを断ることは難しい。通常、タイトルを獲得した経験のある選手は、継続的にタイトルという付加価値を求める。だからこそ、アタランタや他のプロビンチャ(規模の小さい地方のスポーツクラブ)のチームが、数年前のプレミアリーグでレスターが優勝したような結果を残すのは難しいだろう。レスターは例外だった」

「勝てないというのは真実ではない。それでも勝利を目指さなければならない。小さな積み重ねが大きな勝利へとつながる可能性がある。そうでなければ、スポーツは選ばれた少数のエリートのものになってしまう」

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