8連勝の日本代表、2023年に評価を上げた5名の選手

ワールドカップ2次予選で連勝スタートを飾った森保一監督率いる日本代表。

これで2023年の試合はすべて終了。第2期森保ジャパンがスタートした3月シリーズこそウルグアイとコロンビアを相手に1分1敗だったが、6月以降は8連勝となった。

そんな2023年の日本代表活動において、特に評価を上げた選手を5名ピックアップした。

なお、中村敬斗や毎熊晟矢、町田浩樹など今年代表初キャップを手にした選手や、鈴木彩艶のように過去の出場がEAFF E-1選手権のみの選手は除いている。

菅原由勢

今年4月に33歳となった酒井宏樹の後継が注目された右サイドバックのポジション。

カタールワールドカップ後初戦の3月シリーズでは、橋岡大樹、菅原由勢、そしてU-22代表から半田陸の3名が招集されたが、一瞬にしてレギュラーの座を射止めたのが菅原だった。

2020年10月以来となるA代表のピッチに立った22歳(当時)は、高い攻撃性能で名波浩コーチのもとサイドバックの立ち位置が柔軟になった新チームにピシャリとハマった。

5シーズン目を迎えているオランダでの経験から守備対応も安定しており、ムードメーカーとしての面も持ち合わせている。第2期森保ジャパンで重要な枠割を果たす選手の一人となりそうだ。

伊藤洋輝

カタールワールドカップでは慣れない左サイドバックでのプレーに批判の声も上がった伊藤洋輝。

そんな彼が、今季はシュトゥットガルトで左サイドバックのレギュラーとなり、チームも上位争いを繰り広げている。この夏オファーの来ていたアヤックスへ移籍しなくて良かったと感じているファンは多いはずだ。

日本代表でも今や左サイドバックの一番手。サイドバックとしての立ち振る舞いに慣れ、酒井宏樹が抜けたことによる「最終ラインの高さの担保」という意味でも大きな仕事を果たしている。

6月のペルー戦では持ち前の高精度なキックで代表初ゴールを記録。アキレス腱断裂の大怪我から戻ってきた中山雄太とともにこのポジションをしばらく引っ張っていってくれそうだ。

久保建英

2023年は日本代表にとって久保建英が「非常に重要な選手」になった一年だった。

ダビド・シルバという最高のお手本を手にしたレアル・ソシエダでの経験が久保に大きな成長をもたらしたことは間違いない。“速さ”を重視して磨いてきたスキルに緩急の要素が加わった。

三笘薫も筑波大学時代、ドリブルスピードを突き詰めることで自身のスピードの最大値を知り、だからこそ彼の緩急はプレミアリーグでも通用する武器になった。

師匠シルバの怪我による引退もあってか、完全に一本立ちした今季はソシエダでもチームの中心選手に。相手にとって「こわい選手」になった久保が、これからの日本代表をけん引する。

浅野拓磨

クラブで監督交代に伴う戦術変更があり、得点数が減りながらもFWとしての貢献度が増している古橋亨梧も評価を上げた選手だが、今回は浅野拓磨を挙げたい。

カタールワールドカップ、ドイツ戦の決勝弾で一躍時の人となった浅野。しかしプレー精度の面で難があり、当時はまだ「一発屋」という評価に近かった。

それでも、現在代表で唯一4大リーグでプレーするFWとして着実に成長。ここ最近の代表では、自身に何ができて何ができないかがほどよく整理され、チームのために働ける幅が広がっている。

技術や判断の面ではまだまだ改善の余地があるが、左サイドに入った先日のシリア戦を見てもやはり彼のスピード溢れるプレーは相手にとって脅威。森保監督からの信頼はさらに厚くなっている。

上田綺世

最後は、浅野以上に森保監督の寵愛を受けてきたとも言える上田綺世。多くの批判にさらされてきたストライカーが、ついに日本を代表する選手になってきた。

2022年夏にセルクル・ブルッヘへ移籍した当初はトップ下で起用されるなど苦労したが、類まれ決定力を発揮してゴールを量産。オランダ王者フェイエノールトへの移籍を勝ち取った。

フェイエノールトでは出場機会に恵まれていないものの、1トップを争うリーグ屈指の実力者、メキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスのプレーから様々なことを学び、日々成長を遂げている。

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今月始まったワールドカップ予選では2試合で5ゴール。2023年全体でも6試合で7ゴールを記録しており、苦手だったポストプレーの上達ぶりからも来年はさらなる活躍が期待される。

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