【ベトナム】ビンG電動バス、公的補助金の増額を要請[運輸]

ベトナム複合企業のビングループが傘下のバス会社を通じて電動バスを運行する南部ホーチミン市の路線について、赤字が続いていることを理由に今年末での運行停止を検討している。同社は運行継続の条件として市からの補助金の増額を要請しており、路線バスの電動化を推進する市運輸局は補助金比率の引き上げを市人民委員会に提案している。22日付トイチェー電子版が報じた。

ビングループ傘下のビンバス・エコロジー・トランスポート・サービシズは、2022年3月にホーチミン市内で電動バスの運行を試験的に開始した。試験期間は2年間で、計5路線を開通する計画だが、最初に運行を開始したD4路線(市直属トゥードゥック市ビンホームズ・グランドパーク—1区サイゴン・バスターミナル)の赤字額は今年8月までで286億ドン(約118万米ドル、1億7,600万円)に膨らんでいる。

D4は今年1~9月に約2万8,800回運行し、81万9,900人が利用した。ビンバスによれば、乗客数は順調に増えているが、市の補助金が少ないために収支の改善が進んでいない。同社の運行コストに対する市の補助金比率は44.1%で、圧縮天然ガス(CNG)燃料のバスに対する補助金比率は3分の2にとどまるという。ビンバスが9路線を運行する首都ハノイの80%と比べると約半分だ。

ビンバスは補助金比率が従来型バスと同様に64.8%に引き上げられなければ、残る4路線を運行できないだけでなく、2年間の試験運行期間を短縮してD4の運行を今年末で打ち切ることを検討せざるを得ないとしている。引き上げが認められた場合は、来年も運行を続けるとともに5~6月に残る4路線の運行も始める予定だと説明している。

市運輸局はビンバスの主張を受けて、同社の電動バスに対する補助金比率を64.8%に引き上げることを提案している。

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