高岡の国際野球、台北も参加 27年予定、蔣市長意向

角田市長(左)から贈られたドラえもんのぬいぐるみをなでる蔣市長=台北市政府庁舎(飛田和重撮影)

  ●角田市長、日米台スポーツ交流へ

 【台北=飛田和重】2027年に高岡市で開催を目指す高校野球の国際大会に、台湾・台北市のチームが参加する方向となった。大会は、高岡と米姉妹都市フォートウェーン市の提携50周年を記念したイベントであり、同市に加えて台北市チームの「参戦」により、スポーツを通じた日米台の交流拡大が期待される。23日、台北市政府庁舎で角田悠紀市長と懇談した蔣万安(ジャンワンアン)市長がチーム派遣の意向を示した。

 国際大会は、10月に米姉妹都市フォートウェーン市を訪問した角田市長が同市側と開催の方向で一致していた。大会には地元高岡の野球部をはじめ、フォートウェーンからは「チャンピオンチーム」の参加が予定されている。

 角田市長は県西部の首長を通じて幅広く参加を呼び掛けていく考えで、日本と同じく野球が盛んな台湾からの参加が実現すれば、規模拡大に弾みが付く。

 22日夜の夕食会でも角田市長は台北市政府のスポーツ担当者、議員らに参加を呼び掛けており、この話を聞いていた蔣市長が「3年後に高岡で開催される大会に参加したい」と即答。25年に台北などで開催されるスポーツ愛好家の競技会「ワールドマスターズゲームズ」に高岡からの参加も求め、双方向の交流に意欲をみせた。

 角田市長は「スポーツ、特に野球での交流に前向きな言葉をいただいた。一段と絆を深めたい」と期待を寄せた。

 その後、角田市長は日本の高校に相当する台北市大理高級中学を訪れ、昨年にプロ4人を輩出したという野球部の練習を見学。富山新聞社などの取材に応じ、「まず具体的な開催時期を決め、調整を急ぐ」と強調した。同行している市体育協会の喜多進会長も開催をサポートするとした。

  ●「ドラえもん」で距離縮める 蔣介石ひ孫「将来の総統候補」を笑顔に

 「ドラえもんの街からやって来ました」。お土産として巨大ぬいぐるみを持参した41歳の角田市長は、蔣市長が3人の男の子を持つ44歳の子育て世代と聞き、事前に藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーで自費購入していた。

 作者のFさんが高岡市出身と聞いた蔣市長は「子どもはみんなドラえもんが好きで、争いのタネになりそう」と笑顔をみせ、ぬいぐるみの頭をなでた。

 関係者によると、初代総統蔣介石のひ孫に当たる国民党の蔣市長は「将来の総統候補の一人」。角田市長は「秘密道具」で要人との距離を縮め、今後の交流拡大に手応えをみせた。

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