特急「はるか」の敦賀駅延伸、JR西日本社長の考えは 福井と石川、富山の知事が要望方針

特急「はるか」の敦賀延伸などについて話すJR西日本の長谷川社長=11月22日、大阪市の同社本社

 北陸3県知事が要望する方針を決めた関西空港駅と京都駅などを結ぶ特急「はるか」の福井県の敦賀駅延伸について、JR西日本の長谷川一明社長は11月22日の定例記者会見で、利用ニーズや技術的な課題から「現状においては直ちに実行していくのは難しい」と述べた。

 特急はるかの敦賀延伸案は、来年3月の北陸新幹線敦賀開業に合わせてインバウンド(訪日外国人客)を呼び込もうと、今月14日に開かれた北陸3県知事懇談会で福井県の杉本達治知事が提案。石川、富山両県知事も賛同し、3県連携してJR西に要望していく方針で一致していた。

 長谷川社長は「インバウンドの客を北陸にダイレクトに、という趣旨だと思うが、関西圏を経て北陸へ周遊していくというのが今後のインバウンドの姿だろう」とし、需要面から敦賀延伸はハードルが高いとの認識を示した。

 敦賀まで運行距離が延びることで風などの自然環境の影響を受けやすくなる点も挙げ「現在も定時運行に苦慮しており、さらに不確定要素が入ってくると安定輸送の面でリスクが高い。当該の列車1本でなく、京阪神の輸送全体に影響を及ぼす」と指摘した。ただ、臨時列車や団体列車などスポット的な運行については検討の可能性があるとした。

 3県知事懇談の中で話題に上った北陸新幹線の恐竜ラッピング車両に関しては「恐竜列車というのは一つのコンセプトとしてあると思うが、開業時に速やかに実施するということは考えていない」と述べた。

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 このほか、2025年大阪・関西万博への機運を高めるため、開幕1年前の来年4月から会期終了の25年10月まで、東海道・山陽新幹線と山陽・九州新幹線、北陸新幹線で万博公式キャラクター「ミャクミャク」などを描いた列車を運行することも発表。JR西によると北陸新幹線の運行区間は東京―敦賀間で1編成を走らせる。

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