バタークリームケーキで初! さいたまのパティシエが日本一「1位の中の1位」に 繊細なデコレーション評価

グランプリの賞状とトロフィーを持つ寺嶋友哉さん=さいたま市役所

 埼玉県さいたま市南区の洋菓子店「パティスリーMOA」のパティシエ寺嶋友哉さん(26)が、10月30日から11月1日にかけて都内で開催された日本最大級の洋菓子コンテスト「2023ジャパン・ケーキショー」で、グランプリを受賞した。バタークリームを使った緻密なケーキ細工で、参加した約千人の頂点に立った。

 寺嶋さんは芸術性を競うデコレーションケーキ部門バタークリーム仕上げで1位を取り、各部門の1位の作品計12点の中から選ばれるグランプリを受賞した。寺嶋さんは「素直にうれしい。お世話になったお店に恩返しをしたい」と話した。

 蓮田市出身で、大宮区の製菓・調理専門学校を卒業後、同店に入社した。今年6年目で、ケーキや焼き菓子の仕込みを主に行っている。ケーキ細工は仕事を終えた後に取り組み、同店オーナーの上藤邦夫さん(49)は「休日にも集中して取り組んでいた。一番を取ると思っていた」と話す。

 製作期間は約2カ月。ホール状のバタークリームケーキの上に、コルネと呼ばれるフィルムを使ってバタークリームでデコレーションしていく。テーマはアンティーク調の中世ヨーロッパで、ジャパン・ケーキショーの受賞者に贈られる賞状をイメージして、全て手描きで完成させた。

 専門学生時代からケーキショーに参加しており、今回で6回目の参加。昨年は同部門で3位に当たる金賞の成績を収めていた。審査員を務めた県洋菓子協会の朝田晋平会長(60)は「とても細やかな作業が評価された。バタークリームがグランプリを取るのは初めて」と賞賛していた。

 寺嶋さんは「違う部門にも挑戦し、お店の後輩にもバトンをつないでいきたい。さいたま市のスイーツ業界を盛り上げていきたい」と意気込んだ。

グランプリを受賞した寺嶋さん作のケーキ

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