鍋島邸 当主の隠居棟初公開 雲仙・国見神代小路 まち歩きイベント 長崎県

ガイド(左)の説明を受けながら、初公開された御北を見学する参加者=雲仙市、鍋島邸

 長崎県雲仙市国見町の神代小路(くうじ)地区で19日、まち歩きイベント「神代小路 小さな文化まつり」があった。国の重要文化財「旧鍋島家住宅(鍋島邸)」の未公開区域を案内するプレミアムツアーもあり、家族連れらが風情ある街並みを楽しんだ。
 同地区は江戸時代、旧佐賀藩所領の飛び地だった。武家屋敷や古民家が並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。イベントは伝統ある美しいまちを知ってもらうため、NPOくうじネットなど地元4団体が開き4回目。
 ツアーでは、当主の寝所だった隠居棟「御北(おきた)」の内部を初公開した。1860(万延元)年に建てられた寄せ棟(むね)造り、かやぶき2階建て。ガイドが「2階の窓から当時は船着き場が見えた」と説明し、参加者は熱心に見て回った。
 夫婦で参加した群馬県太田市の富田威明(たけあき)さん(80)は「全国各地の武家屋敷を見てきたが、これほど大きくて立派な建物が維持されているとは知らなかった。初公開の場所も見られてラッキー」と喜んだ。
 開放した古民家でオカリナの演奏会もあった。

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