栃木県内の公立学校に勤務する教員のうち、時間外勤務(残業)が月平均45時間を超えた割合は52.8%に上ったことが23日までに、県教委の2023年度調査で分かった。「過労死ライン」とされる月80時間超は10.4%だった。いずれも前年よりやや減少したが、依然として長時間勤務は解消されておらず、教員からは業務の削減などを求める声が上がっている。
調査では4~7月の勤務実態を聞き、公立校の教職員1万3927人が回答した。国は残業時間の上限を月45時間と定めており、県教委も目標としている。本年度は前年よりも45時間超が2.9ポイント、80時間超は2.3ポイント下回った。
事務職なども含めた教職員全体の残業時間は月平均で46.1時間。県立中学校が65.2時間で最も長かった。部活動では運動系の正顧問が62.6時間、文化系は45.1時間だった。
今回の調査では教員に対し、学校の働き方改革について意見を尋ねた。自由記述で「県全体で業務削減や人員の増員に取り組んでほしい」「調査や研修の精選、削減を進めてほしい」といった回答が多かった。また学校行事について、「コロナ禍前のように戻す動きがあるが、簡素化できるものや実施しないものを分けることが必要」という意見もあった。
県教委は22年に「学校における働き方改革推進プラン(第2期)」を策定し、勤務時間の適正化などに取り組んでいる。県教委教育政策課は「市町と連携しながら粘り強く取り組み、状況を改善していきたい」としている。