2連敗で今年終戦のドイツ、指揮官の“GKへの負傷したふり指示”が物議 対戦国メディア「情けない。弱さの表れだ」

写真:ドイツ代表のナーゲルスマン監督が批判の対象となったのは成績ではなく……? ©Getty Images

現地時間11月21日に行われた国際親善試合のオーストリア代表vsドイツ代表戦において、ドイツ代表のユリアン・ナーゲルスマン監督がとった行動に非難の声が寄せられている。

EURO2024開催国のために予選を免除されているドイツ代表は、強化を目的とした国際親善試合を精力的に実施している。11月は『ベルリン・オリンピアシュタディオン』でトルコ代表と、ウィーンにある『エルンスト・ハッペル・シュターディオン』でオーストリア代表と対戦した。

ナーゲルスマン監督は、9月にドイツ代表指揮官に就任。国際親善試合でドイツ代表が日本代表に大敗し、ハンジ・フリック前監督が解任されたことを受けての就任だったが、11月の代表ウィークは散々なものとなってしまった。

18日のトルコ代表戦は、2得点を奪うも3失点と守備が機能せずに2-3で敗戦。続くオーストリア代表戦も良いところなく0-2と完封負けを喫した。

さらに、オーストリア代表戦ではナーゲルスマン監督の“ある行動”が問題視されている。後半開始早々の49分にFWレロイ・サネ(バイエルン・ミュンヘン)が報復行為で一発退場となると、ナーゲルスマン監督は選手たちに指示を送る時間を生み出すため、GKケヴィン・トラップ(フランクフルト)に負傷したそぶりをするよう指示した。GKはフィールドを離れずにピッチ上で医療サービスを受けることができる唯一のフィールドプレーヤーであるため、ナーゲルスマン監督はこのルールを活用。身振り手振りでトラップに足を押さえて倒れるように伝えるシーンが国際映像にしっかりと映し出された。なお、ナーゲルスマン監督はトラップが座り込む間に戦術を示したメモを選手に渡し、状況の立て直しをはかっていた。

しかし、オーストリア放送協会(ORF)は、敵将の行いを「情けない。弱さの表れだ」と一刀両断。次のように“時間稼ぎ”を非難した。

「時間を稼ぐために負傷を偽るとは……。そんなことをしてはいけない。監督たるもの、短時間であっても選手たちに的確な指示ができなければならない」

ナーゲルスマン監督の必死の策も空しく、ドイツ代表は11月の2試合を連敗で終え、2023年を締めくくることになった。

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