精神的DV「心身削り取る」 京都・向日で講演、相談呼びかけ

DVについて身近でできることを考える参加者(向日市寺戸町・女性活躍センター「あすもあ」)

 DVについて考える講座「身近なところにあるDV 私達にできることは何か?」が、京都府向日市寺戸町の市女性活躍センター「あすもあ」で開かれた。京都府家庭支援総合センター相談・判定課の参事が講演した。

 女性に対する暴力をなくす運動(11月12~25日)にちなみ、市が主催した。

 参事は身体的暴力だけでなく、性行為を強要し避妊に協力しないなどの性的暴力や、大声で怒鳴ったり、親族や友人と会わせなかったりするような精神的暴力をDVの例として挙げ、実際の相談例を紹介。「相談しにくく、夫婦間のこととして加害・被害の認識が持ちにくいため、特に精神的DVは分かりにくい。しかし、精神的DVは軽いものではなく、被害者の心身を削り取り、命を危険にさらす」と指摘した。

 被害者は心身に強いダメージを受け、離婚後もさまざまな症状が続く上、実家に頼れなかったり、職業経験が不足していたりする。「就労や円滑な地域生活、心の支えといった長期的な地域の支えが必要。相談を受けたら、真摯(しんし)に話を聞き、つらさに寄り添って、専門機関への相談を勧めて」と呼びかけた。

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