オーベルジュ整備の金ケ崎にマルシェや鉄道公園も…デザイン計画全容 福井県敦賀市、新にぎわい拠点に

魅力ある食や癒やしが体験でき、鉄道や港の歴史を生かした金ケ崎エリアのイメージ図(©OMA、福井県敦賀市提供)

 北陸新幹線敦賀開業を見据え、福井県敦賀市金ケ崎地区を中心としたまちづくりを検討する「金ケ崎周辺魅力づくり協議会」の第3回会合が11月22日、同市の敦賀商工会館で開かれ、「金ケ崎周辺魅力向上デザイン計画」を策定した。宿泊機能付きレストラン「オーベルジュ」を整備する方針が示されていた金ケ崎エリアはスイーツ(ショップ)やマルシェ、鉄道公園なども加えた新たなにぎわい拠点とすることが盛り込まれた。

 同協議会は福井県と敦賀市、敦賀商工会議所で構成。同地区を巡っては、市が2022年3月、オーベルジュ整備協定を前田建設工業(東京)、アクアイグニス(同)と締結した。オーベルジュ整備を担う前田建設工業が、まちづくり実行プラン「デザイン計画」を担当した。

⇒敦賀港鞠山南地区拡張…RORO船の貨物を集約

 「デザイン計画」の基本方針は、JR敦賀駅を起点に金ケ崎と気比神宮の両エリアの魅力を高め、つなげることでにぎわいをまち全体に広げていくこととした。金ケ崎エリアは▽魅力ある食や癒やしを体感できるエリア▽鉄道や港の歴史を活かしたまち―とする方向で、気比神宮エリアは▽参道としての魅力▽市民と観光客の交流の場▽市民の憩いの場―の創出を目指す。

 特に金ケ崎エリアのイメージ図は世界的な設計事務所OMAが手掛けた。現在の金ケ崎緑地にはオーベルジュやマルシェ、スイーツ、カフェ、展望デッキを備え、民間事業者が整備する想定。市資料館「人道の港敦賀ムゼウム」や敦賀赤レンガ倉庫といった既存施設へは歩道橋などで回遊性を高める。かつて敦賀駅で使用されていた転車台や旧敦賀港駅の廃線敷を活用した鉄道公園や、駐車場などの公共施設整備も盛り込まれた。

 協議会座長を務めた敦賀商工会議所の奥井隆会頭は「敦賀が育んできた歴史や文化が結実した壮大なデザインができたことをうれしく思う。実現に向けて広く市民の意見を聞きながら、官民一体となって進めていきたい」と決意を述べた。

⇒福井県敦賀市のニュース一覧

© 株式会社福井新聞社