滋賀県警、暴力団事務所に家宅捜索 若頭の男逮捕受け

約320人が参加して開催された暴力団追放滋賀県民大会(24日午後、大津市打出浜・びわ湖ホール)

 暴力団追放滋賀県民大会が24日、大津市打出浜のびわ湖ホールで開かれた。市民ら約320人が「あらゆる暴力を根絶することを決意する」とする大会宣言を採択し、暴力団排除への決意を新たにした。

 県警によると、県内の暴力団構成員は1990年代初頭には約500人いたが、暴力団対策法や暴力団排除条例の制定を経て、今年10月末時点で約30人に減少しているという。

 大会を主催する県暴力団追放推進センターの大道良夫理事長が「暴力団が最も恐れるのは、排除しようとする県民一人一人の毅(き)然(ぜん)とした態度であり、社会全体の暴力団の存在を許さない決意と行動にある」とあいさつ。県警の中村彰宏本部長は「SNS(交流サイト)を通じて離合集散し、特殊詐欺などを敢行する『匿名流動型犯罪グループ』が新たな脅威となり、暴力団との関わりもみられる。徹底した取り締まりを行う」と述べた。

 県警組織犯罪対策課の安土雅樹課長は講演で、山口組の分裂後、大都市圏が暴対法に基づき警戒地域に指定されて暴力団の活動が厳しく制限される中で、6代目山口組の幹部らが大津市の淡海一家事務所を訪れていると説明。また、暴力団構成員は減少しているものの、匿名流動型犯罪グループと共存共栄している実態を解説した。

 この日午前には、淡海一家ナンバー2の若頭の男が犯罪収益移転防止法違反容疑で逮捕された事件を受けて、県警が淡海一家の事務所を家宅捜索した。

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