【ジャパンC/追い切り診断】リバティアイランドに迫る高評価「A」で急上昇 「本来のどっしりとした迫力」

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■ドウデュース

【中間調整】昨年の日本ダービーでイクイノックスを下した力の持ち主。今春はドバイターフでGI2勝目を目指したが、現地での調教後に軽いハ行が認められ自重。無念の出走取消となった。そこからの休養でじっくり立て直し、前走の天皇賞・秋が7カ月ぶりの復帰戦。攻め気配は上々で悪くない仕上がりに思えたが、久々の影響が大きかったようで道中でまともに力んでしまい、直線での伸びを欠いて7着に終わってしまった。

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案外な帰国初戦だったものの馬自体にダメージはなく、ジャパンCで復権の走りを見せるべく在厩で調整が続けられている。当初はプールでじっくり心肺機能の底上げをなされ、11月9日にCW単走で初時計。5F65秒9(馬なり)と2週前としては申し分のない時計を叩き出し、上昇気配をアピールした。1週前のCW併せ馬には藤岡康騎手(レースは戸崎騎手)が騎乗し、先行2頭を豪快に抜き去った。ギアチェンジもスムーズで前走感じさせた反応面への懸念は完全に払拭できたと言っていい。

【最終追い切り】レース当週はポリトラックで併せ馬。速い時計は求めず、折り合いや操縦性の確認に徹した。併走に持ち込んでからはグンと重心を沈め、楽に回転数をアップ。素軽さ満点の走りで併入としている。

【見解】前走の調整では少なからず力み、気負いが感じられ反応の鈍さもあった。レースでもその分が如実に脚を引っ張り、騎手乗り替わりとなったことも影響してか1秒4差とまさかの大敗。そこを叩かれ、ガスが抜けたこの中間は素軽さが一気にアップしている。本来のどっしりとした迫力も戻っており、能力を全開にできそうな雰囲気だ。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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