【ジャパンC/追い切り診断】“復調サイン”ドウデュースと並ぶ高評価 「GIで勝ち負けを意識できるレベル」

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■タイトルホルダー

【中間調整】3歳時に菊花賞を5馬身差V。昨年は天皇賞・春、宝塚記念を連勝した国内最強クラスの一角だ。しかし3連覇の懸かった今年の天皇賞・春でまさかの競走中止。初体験となる京都の下り坂で走りを大きく乱し、鞍上が大事をとってのものだった。幸い競走能力がどうこうのトラブルではなく、復帰戦だった前走のオールカマーはかなり手控えた調整で臨みながら、2着と悪くない滑り出し。反動はすぐ抜けたようで、予定通りジャパンCへの進出が決まっている。

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短期放牧から10月下旬に帰厩し、29日の初時計で坂路ラスト2F14秒3-12秒6(馬なり)と軽快に加速した。以降、坂路とウッドを併用する本来のペースで調整が進み、1週前のウッド併せ馬ではこの秋初めて目一杯の負荷を掛け、豪快な伸びを披露。もう脚元に関してまったく不安なしといったところだろう。

【最終追い切り】レース当週は横山和騎手が騎乗し、ウッドで併せ馬。1週前で強い負荷を掛けており、今週は反応と操縦性の確認に徹した内容だった。それでも自然と速いラップを刻み、併走に持ち込んでからは引っ張り切りの手応えのまま併入としている。1週前の負荷が奏功し、一気に素軽くなった印象だ。

【見解】前走は一頓挫明けで慎重過ぎるほどの軽い調整。くわえて改修中で坂路が使えなかったことも、調整の慎重さに拍車を掛けていたような感じだった。そこを使われ、脚元に問題なしと確認されてからの攻め気配はまさに見違えるほど。坂路追いが再開され、スタミナ、スピードをバランスよく底上げできている。前走時は前に馬を置くだけの調整に留まっていたが、今回はピタッと体を並べる併せ馬も解禁。“本当に凄かった頃”にはあとちょっと足りないのかもしれないが、GIで勝ち負けを意識できるレベルに状態は戻ってきたと見ていいだろう。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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