「JR駅前の病院建設計画は違法」 住民訴訟で大津地裁、原告請求棄却

野洲市

 滋賀県野洲市の栢木進市長が前市長時代に締結されたJR野洲駅前での病院建設設計業務契約を解除したのは違法として、市民が栢木市長に対し約4260万円の賠償請求をするよう求めた住民訴訟の判決が24日、大津地裁であった。池田聡介裁判長は原告の請求を棄却した。

 判決などによると、栢木市長は市民病院建設のための設計業務契約を解除し、解約に伴う出来高払い金を設計業者2社へ支払うよう命じ、市は2社に約4260万円を支払った。

 原告は、市病院設置条例で駅前が新病院の建設地と定められていたにもかかわらず、栢木市長が契約を解除したのは条例違反と主張していた。池田裁判長は「条例は、条例に規定している病院の設置を義務付けているとはいえない」と判断。契約解除や支出命令は裁量権の逸脱・乱用に当たるとする原告の主張については、「逸脱または乱用したものであると認めるに足りる証拠はない」として退けた。

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