岩佐歩夢、逆転タイトルならず。アルピーヌ育成ドゥーハンがポール獲得【FIA F2第14戦予選】

 11月24日、2023年FIA F2最終戦/第14戦の公式予選がアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催され、ランキング4位につけるジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)が最速タイムを記録し、フィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得。の岩佐歩夢(ダムス/ホンダ&レッドブル育成)は5番手で予選を終えた。

 テオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成/191点)、フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成/166点)、そして岩佐(152点)の3名がドライバーズタイトル獲得の可能性を残す状況で迎えた2023年シーズン最終戦。ランキングトップのプルシェールから39ポイント差のランキング3位につける岩佐は、今回の予選でポールポジション獲得を逃せば、逆転タイトルの可能性を失うという状況で迎えた。

 なお、FIA F2予選直前に行われたF1アブダビGPのフリー走行1回目(FP1)にはプルシェール、ベスティ、ドゥーハン、アイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)、オリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)と、現役FIA F2ドライバーが出走。この5名にとってはF1のFP1終了後のインターバルが30分と慌ただしいなか、現地時間15時(日本時間20時)より、気温28.4度、路面温度40.5度というドライコンディションのもと、30分間のFIA F2公式予選はスタートを迎えた。

 昨年ポールを獲得し、フィーチャーレース(決勝レース2)でポール・トゥ・ウインを飾った岩佐は、セッション開始から5分が経過したところで最初のアタックに入ると、1分37秒181をマーク。一旦は暫定トップとなるが、フリー走行トップのビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)が1分36秒692をマークしトップ浮上。そしてドゥーハンが1分36秒920で暫定2番手で続き、アルピーヌ育成の2台が早々に1分36秒台のタイムを記録。

 岩佐は一周のウォームアップを挟み2アタック目に入ると、1分36秒937をマークし暫定3番手に浮上。ただ、トップのマルタンスは2アタック目に1分36秒351をマークし、全体ベストを更新する。さらに、クッシュ・マイニ(カンポス・レーシング/アルピーヌ育成)、リチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が岩佐を上回る。

2023年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ 岩佐歩夢(ダムス/ホンダ&レッドブル育成)

 マルタンスから0.586秒差の暫定5番手となった岩佐は2アタック目を終えると、残り18分というタイミングでピットへ戻り、ニュータイヤに交換。セッション残り時間10分というところでコースへ戻ると、3アタック目に1分36秒085をマークし暫定首位に浮上する。

 残り4分、ドゥーハンがセクター1、3で全体ベストを更新し、1分35秒703をマーク。さらにマイニが1分35秒976で2番手に入り、岩佐は3番手となる。続いて岩佐は4アタック目、セクター1で全体ベストを更新。セクター2、セクター3でタイヤの限界を迎えたか、自己ベスト更新ならず。一方、マルタンスが1分35秒791で2番手に、ゼイン・マロニー(ロダン・カーリン/レッドブル育成)が4番手に浮上し、岩佐は5番手に後退。

 そして、ドゥーハンは最終アタックで1分35秒567をマーク。最終アタックで全体ベストを更新し、最終戦フィーチャーレースのポールポジションを掴んだ。ランキング4位につけるドゥーハンはPP獲得で2点追加となり、ランキング3位の岩佐とのポイント差を12点差に縮めるかたちに。

2023年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ ジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)

 予選2番手にマルタンス、3番手マイニと続いき、予選トップ3をアルピーヌ育成が占めた。岩佐は5番手、ランキング首位のプルシェールは14番手、ランキング2位のベスティは9番手で予選を終えている。
 
 スプリントレース(決勝レース1)のスターティンググリッドは予選トップ10がリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したエンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン/レッドブル育成)がポールシッターとなった。

 岩佐はポールポジション獲得ならず、これでタイトル獲得の可能性は無くなった。しかし、まだベスティを逆転し、ランキング2位に浮上する可能性は残されている。

 2023年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ、23周のスプリントレース(決勝レース1)は11月25日、日本時間21時20分より行われる。リバースグリッドのため、スプリントレースで岩佐は6番手から、ベスティがフロントロウ2番手から、そしてプルシェールは14番手からスタートを迎える。

■2023年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ 予選正式結果

Pos. No. Driver Team Time

1 14 J.ドゥーハン インビクタ・ビルトゥジ・レーシング 1’35.567

2 6 V.マルタンス ARTグランプリ 1’35.791

3 24 K.マイニ カンポス・レーシング 1’35.976

4 3 Z.マロニー ロダン・カーリン 1’36.065

5 11 岩佐歩夢 ダムス 1’36.085

6 1 D.ハウガー MPモータースポーツ 1’36.168

7 22 R.フェルシュフォー ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’36.227

8 10 I.ハジャル ハイテック・パルスエイト 1’36.230

9 7 F.ベスティ プレマ・レーシング 1’36.274

10 4 E.フィッティパルディ ロダン・カーリン 1’36.282

11 23 J.コレア ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’36.324

12 16 R.ニッサニー PHMレーシング・バイ・チャロウズ 1’36.373

13 12 A.ルクレール ダムス 1’36.377

14 5 T.プルシェール ARTグランプリ 1’36.437

15 20 R.スタネ トライデント 1’36.449

16 25 R.ボシュング カンポス・レーシング 1’36.503

17 8 O.ベアマン プレマ・レーシング 1’36.620

18 15 A.コルデール インビクタ・ビルトゥジ・レーシング 1’36,648

19 9 J.クロフォード ハイテック・パルスエイト 1’36.718

20 2 F.コラピント MPモータースポーツ 1’37.231

21 21 P.アーロン トライデント 1’37.391

22 17 J.メイソン PHMレーシング・バイ・チャロウズ 1’38.159

© 株式会社三栄