倒木でトロッコ電車停止 158人、最大4時間半足止め

2時間40分遅れで到着し、疲れた表情を見せて改札口を通る乗客=24日午後7時15分、黒部市の黒部峡谷鉄道宇奈月駅

  ●停電、ディーゼル車に乗り換え

 24日午後4時10分ごろ、黒部峡谷鉄道(黒部市)の柳橋駅付近で倒木により送電架線が切れ、走行中だったトロッコ電車2本が黒薙、鐘釣両駅付近で緊急停止した。乗客計158人は最大4時間半足止めされ、代替輸送のディーゼル車に乗り換えて戻った。同社は25日の始発までに復旧完了を目指す。

 同社によると、目視で直径20センチ、長さ約5メートルの木が柳橋駅付近の架線に倒れ込み、断線した。同社は走行中車両の停止措置を取り、終点の欅平駅発午後3時19分の便が黒薙駅付近、最終の欅平駅発同4時1分の便が鐘釣駅付近で止まった。黒薙駅付近で停止した便には112人、鐘釣駅付近で止まった便には46人が乗車していた。

 架線が切れた柳橋駅は始発の宇奈月から1駅目で、次の森石駅から終点の欅平駅間の送電に問題はなく、停止車両にも電気は送られて車内の空調は動いていた。体調不良を訴える人はいなかったという。

 黒薙駅付近で停止した車両にはオープン車両も連結していたが、両便とも屋根付き車両が中心だったため、駅舎のない黒薙駅付近に止まった乗客にはそのまま車内にとどまってもらい、鐘釣駅付近停止車両の乗客は下車し駅待合室で待機してもらった。

 迎えのディーゼル車が準備でき次第、いったん停止した車両で送電可能な森石駅まで移動し、同駅まで来た代替車両に乗り換え、宇奈月駅に戻った。復路の運賃は払い戻した。

倒木で架線が切れた現場=黒部峡谷鉄道柳橋駅付近(同社提供)

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