「ライドシェア」安全面などで不安 栃木県タクシー協会

 一般のドライバーが客を運ぶ「ライドシェア」の導入について、議論が本格化しています。

 導入によって最も影響を受けるのが「タクシー業界」ですが、栃木県内でも県タクシー協会を中心に導入への懸念を表明しています。

 「ライドシェア」は、観光地や過疎地で起きているタクシー不足対策として、導入が検討されています。

 一般のドライバーが、自分の車などで客を有料で運ぶサービスで、アメリカや中国などで普及していて岸田文雄首相は「年内をめどに方向性を出す」と意欲を示しています。導入について、民間の調査会社が行ったアンケートで「反対」または「どちらかといえば反対」と答えたのは60・8%に上りました。犯罪のおそれや運転の質に関する不安の声が目立っています。

 県タクシー協会の鉢村敏雄専務理事も「ライドシェア」導入に懸念を表明します。「ライドシェア」の議論の出発点に、タクシー運転手の不足がありますが、県内のタクシー運転手の数は、コロナ禍前の2018年までは2000人を超えていましたが、10月の時点では、約1700人まで減少しています。「ライドシェア」の導入で需要が減ることになれば、タクシー業界としてはやっていけなくなると不安を隠せません。

 また、交通事故の危険性など、安全安心の面で大きな違いがあるとも話します。

 今後は「ライドシェア」とは別に、タクシー業界の規制緩和が必要と強調します。県タクシー協会は、具体的な方向性がでるのを見守りながら、業界として利用客の役に立てるように、タクシー運転手の人材確保を進めていく方針です。

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