【角田裕毅F1第23戦分析】最終戦でフロアを改良、セットアップ作業に徹した初日。グレイニングの改善にも取り組む

 F1最終戦アブダビGPに向けて、アルファタウリはアップデートを持ち込んできた。今週末、アップデートを投入したチームはアルファタウリのほかにアルファロメオとアストンマーティンだけ。このアップデート投入から、アルファタウリが7点差で追うウイリアムズとのコンストラクターズ選手権7位争いを諦めていないことがよくわかる。

 角田裕毅はこう語る。

「ここでも、アルファタウリはアップデートを持ってきていて、もちろんそれは来年のためでもあるんですが、今シーズンも最後までプッシュするという意味でもあります。マシンもラスベガスよりはコースとの相性もいいと思うので、最後にいいレースをして、シーズンを締めくくりたい」

アルファタウリのスタッフとともに作業に取り組む角田

 アルファタウリの終盤戦の快進撃がスタートしたのは、シンガポールGP。ここで、チームは今シーズン初めて、レッドブルのRB19リヤサスペンションを採用。その後もそのサスペンションに合わせて、ボディワークやフロアを段階的にアップデートし、AT04のナーバスだった空力を安定させてきた。その結果、アメリカGP、メキシコシティGP、サンパウロGPの3連戦で16ポイントを獲得して、コンストラクターズ選手権最下位から8位まで浮上した。

 今回アブダビGPのアップデートは主にフロアの改良だった。

「今回のアップデートはこれまでとはちょっと違います。今日はその異なるキャラクターのアップデートに合わせて、セットアップをいろいろと調整していたという感じです」

アルファタウリはアブダビGPでAT04のフロアをアップデートした

 角田はそう語る。したがって、初日のフリー走行が15番手に終わったにも関わらず、落ち着いていた。

「まだ、調整している段階だし、自分のドライビングもまだ合わせ切れていない」

 しかも、フリー走行2回目では赤旗が2回出て、その調整する時間が制限されたことも響いた。

「でも、赤旗はみんなと同じだし、ロングランもそこそこできているので、それほど悪い1日ではないと思います。ただロングランではまたグレイニングが出ているので、それを改善させるのは簡単ではないと思うので、エンジニアとしっかりと分析したいです」

 金曜日の夜にデータを解析して、アップデートに合わせたセットアップを施し、さらにそのセットアップに自分のドライビングを適応させることができれば、「Q3へ行けます」と角田はそう力強く語った。

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