かながわ鉄道割「平日も混雑」「想定より反響大」 予算到達で終売の私鉄も

デジタルきっぷ確認機にスマホをかざす利用者=三浦市

 神奈川県外からの観光客誘致や県内の周遊促進を図るため実施している「かながわ鉄道割」が好評だ。同事業は県独自の施策で、10月から開始し、既に販売を終了した私鉄もある。観光地への企画切符が平日には最大で3割引きにもなり、トラブルを避けるため月ごとの販売数を限定している切符もある。

 11月中旬の平日。通勤時間帯が一段落した午前10時ごろにもかかわらず、京急線三崎口駅では乗客が続々と下車し、駅事務室へと向かった。

 この乗客は、鉄道割に対応した京浜急行電鉄(横浜市西区)の企画切符「みさきまぐろきっぷ」の利用者。京急の鉄道割はデジタルきっぷが対象で、乗降時には駅窓口でスマートフォンの乗車券画面を提示する必要がある。

 東京都内から初めて三浦市を訪れた30代男性は、「目当てはマグロです。お店のリサーチもしてきた」と笑顔。横浜市内から来た60代の夫婦は、同切符の利用は2回目という。「今回は鉄道割で安くなったので、また食べに来た」とほほ笑む。

 まぐろきっぷは、京急が販売する企画切符の中でも一番人気で、2009年8月に発売した。電車とバスの往復乗車券に加え、マグロ料理の食事券やレジャー施設利用券などがセットになっている。これまでは土・日曜を中心に利用者が増えていたが、同駅によると、10月以降は平日も混雑するようになったという。駅員は「年配の女性同士や夫婦の利用が増えた。皆さんスマホを使いこなしている」と語る。

 鉄道割の実施期間は来年1月末までだが、各社に割り当てられた予算額に達し次第、終了となる。

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