甲状腺手術の翌日に…窒息などで50代男性に重篤な後遺症 「病院側に過失」さいたま市が9940万円支払いへ

さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 埼玉県さいたま市は24日、市立病院(緑区)で甲状腺の手術を受けた市外に住む50代の男性が術後、窒息と低酸素脳症になり、重篤な後遺症を負ったことによる損害賠償請求の調停申し立てで、さいたま簡裁から示された調停条項案に合意し、9940万円を支払うと発表した。損害賠償額を決定する議案を29日開会の市議会12月定例会に提出する。

 市立病院病院総務課によると、男性は2021年10月11日、市立病院で甲状腺の手術を受けた。術後管理中の翌日、窒息と低酸素脳症が生じ重篤な後遺症が残った。けい部の手術後はより厳重な術後管理を行うことが望ましいとされ、市は病院側に不適切な部分があり、過失があったとしている。男性側が9月27日に調停を申し立て、双方が10月20日に合意した。

 同病院の堀之内宏久院長は「重大な後遺症が残ったことは痛恨の極みで、患者と家族に深くおわび申し上げます。再発防止策の徹底と医療安全の向上に全力で取り組む」とコメントを出した。

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