【阿部・M・いちごさん(にこまる 新潟似顔絵師集団/責任者)】“似顔絵はエンターテイメント!その先の展開を目指して”


【プロフィール】
阿部将章(あべまさあき):新潟市弥彦村出身。日本アニメ専門学校を卒業後、県内の印刷会社に就職したが、フリーの似顔絵師に転向。イオン新潟南店で似顔絵を開催していた「にこまる(新潟似顔絵師集団)」と出会い、似顔絵の仕事を始める。様々な活動を経て、現在は「にこまる(新潟似顔絵師集団)」の責任者として多方面でクリエイティブに活躍している。


ガタチラスタッフ:『新潟人176人目は、「にこまる(新潟似顔絵師集団)」の代表・阿部将章さんです!元々は漫画家志望だった阿部さん。似顔絵イベントで得た感触のほか、似顔絵だけにとどまらずに新しいことに挑戦するお話などをお聞きしました。素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』

逆算からの似顔絵

—フリーの時期があったのですね!

阿部さん:元々は漫画家志望で絵の仕事に興味がありました。印刷会社を退職後に漫画の仕事をした時もあったのですが、なかなか上手くいかなかったんですよね。専門学校在学中に似顔絵のイベントをしたことがあり、そこで体験したお客さんとの“似顔絵を通じて得られた感覚”が忘れられず、「似顔絵をやってみよう!」とスタートしました。

—「にこまる(新潟似顔絵師集団)」との出会いは?

阿部さん:最初は1人で似顔絵を始めてたのですが、色々と模索している中で「にこまる(新潟似顔絵師集団)」の代表に出会ったんです。意気投合して、参加させてもらうことになりました。

—念願の絵の仕事に就いたのですね!

阿部さん:学生時代に得た感覚が原体験となっている感じですね。元々人と話すことが好きですし、絵を描くことも好きなので天職だと思っています(笑)!

—「にこまる」としての活動期間を教えてください!

阿部さん: 2007年に創立してから1年立たないうちに参加したので、15年ほどになります。気が付いたら結構長いですね(笑)。

イオン出店の積み重ね

—イオンモール新潟南店に出店されたことなどを教えてください!

阿部さん:「亀ジャス」と呼ばれていた時から出店していました(笑)。当時は単発のイベント企画として出店していて、イオンさんの担当者からは「この場所はあまり人が来ないと思う」と言われていたんです。ところが行列ができてしまって(笑)、それから定期的に実施することになりました。

—最初は単発の依頼だったのですね?

阿部さん:お店側としても、当初は単発で終わらせる感じだったと思います(笑)。営業をかけていた創業者の戦略勝ちですね(笑)。

—私もイオンで似顔絵を描いてもらったことがあります!(笑)

阿部さん:ありがとうございます!「イオンモール新潟南店に行くと似顔絵を描いてもらえる」というイメージが定着しつつある中で、「リバーサイド千秋」や「イオン新発田店(現在は無期限定休)」、その他イベントにもお声がけいただくことが多くなりました。ありがたいですね!

似顔絵はエンターテイメント!

—似顔絵を15年続ける中で培った技術やスキルについて教えてください!

阿部さん:スキルというよりは、“エンタメ化ができた”ことですね。お客様の内面的な部分や気づいていない部分、ご家族で来られた方はその関係性などをイメージして、似顔絵でしか表現できないことを意識しています。お客様とコミュニケーションを取りながら似顔絵を仕上げていくことが、“お客様が似顔絵作家に会いにきてくれること”にも繋がっていると思うので、“エンタメ”として昇華できていると感じます!

—似顔絵を描いてもらっている間も、楽しませてくれますよね!

阿部さん:そう言っていただけるとありがたいです(笑)。似顔絵作家とのコミュニケーション体験を通じてエンターテイメントになると思います。「自分の描いた似顔絵と自分の人間性を好きになってくれる」という意味では、似顔絵にしかできないことだと感じていますね。身近で体験できる“クリエイティブなコンテンツ”です!

—辛かった経験はありますか?

阿部さん:単純に自分の絵が気に入らないこともありますし、「似てない」と言われることも多々ありました(笑)。今だから言えますが、お客様が持っているイメージと私の中のイメージがマッチしていない場合に起こるのだと思います。似顔絵というコンテンツ自体は広く受け入れてもらっている感じはあるのですが、イメージのミスマッチは今後も出てくる問題だと思いますね。

—その問題に対してどう考えているのですか?

阿部さん:常に向き合うべきと考えています。今でこそお客様と向き合う中で、そのミスマッチをあえて取り入れて、一緒に来られた方との一種のコミュニケーションツールとして笑いの要素を作ったりします。描き手の技術的な部分と人間的なスキルアップが絶対に必須かなと思いますね。

—どの職業にも通じるお話ですね!

阿部さん:似顔絵は作品ではなく、商品だと思っているので、「お客様が求めているもの、欲しいものを届ける」という想いが必要だと思います。お客様とのコミュニケーションの中でヒアリングがしっかりできていないとイメージのミスマッチにも繋がり、ファンが離れていく原因になると思います。(これを言ったら怒られるかもしれないですが、)「似てなくてもこの絵だったら嬉しい!」と思ってもらえる似顔絵を目指しています(笑)。

—似てない似顔絵とは究極な感じがします!(笑)

阿部さん:お客様へのヒアリングは重要ですが、それを突き詰めてきた中でイメージの統一はできないとも感じています(笑)。「この絵を玄関に飾りたい」、「似てなくても嬉しい」とお客様から言ってもらえることもあり、とても嬉しいですね。商品として絵のクオリティを高めようと日々技術の向上に努めています!

—最後に、今後の目標を教えてください!

阿部さん:新しいことにどんどん挑戦していきたいです!“ライブペイントなどのエンタメ要素に特化した活動”“古町芸妓のAR制作”“謎解きイベント”なども実施しました。ノウハウを色々と培ってきたので、今後も活かしていきたいですし、似顔絵のグッズ展開や活躍できる場所を広げていきたいですね。

–ARや謎解きイベントですか!?聞きたい話がたくさん出てきますね(笑)

阿部さん:ぜひ、2回に渡って記事にしてもらっても(笑)。ARに関しては、古町芸妓さんの練り歩きイベントを10月に行ったのですが、その際にノベルティとして千社札を配り、専用アプリで読み込むとAR動画が再生されるコンテンツを手掛けました。動画は古町芸妓さんがすっぴん状態から化粧が終わるまでの貴重な動画になります。VRやXRなどを絡めて、バーチャル空間にクリエイティブなものを色々と提供したいですね。その積み重ねによって、“新潟がクリエイティブな街に繋がり、若い方達が新潟に残る”そんな街にしていきたいですね!

【にこまる(新潟似顔絵師集団)】
出店場所:イオンモール新潟南、リバーサイド千秋、その他イベント出店多数
※出店日時や場所は急遽変更になる場合もあるので詳しくはHPをチェック
定休日:月・木曜日
公式ホームページ:https://nicomaru.jp/
オンライン似顔絵はこちら:https://nicomaru.jp/service/online_caricature/

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