那須雪崩事故 大田原高校山岳部OBが講演会で当時の様子を証言

 6年前、那須町の茶臼岳で登山講習中だった大田原高校の生徒など8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、生存者の男性が11月25日に宇都宮市で開かれた講演会で当時の様子を証言しました。

 宇都宮大学で開かれた講演会で証言をしたのは、大田原高校山岳部OBで雪崩事故当時、先頭の班を歩いていた内田志春さん24歳です。

 現在は県外の大学院に通う内田さんがこうした場で当時の事を語るのは初めてです。

 講演会は札幌市を拠点に雪崩事故を防ぐための啓発活動に取り組んでいる雪崩事故研究会などが開いたもので、約150人が参加しました。

 内田さんは3月27日、事故当日の朝から雪崩に巻き込まれ救出されるまでを時間を追って丁寧に振り返りました。

 右手だけが雪から出ている状態で木に引っかかって埋まっていたという内田さんは、他校の生徒らに救出された後、低体温症で病院に運ばれた時から記憶があいまいになっていると衝撃の大きさを語りました。

 また、事故の翌年から3月27日に自分が助かった木の根元に8本の線香を供えていることを明かし、風化防止を呼びかけました。

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