勝木書店の書店員イチオシ文庫本が決定 全21店で集中セールス、サイン会も計画中

「KaBoSコレクション」金賞となった「文身」が平積みされた特設売り場=福井県福井市のSuper KaBoS二の宮本店

 勝木書店(本部福井県福井市)グループが書店員イチオシの文庫本を選ぶ第4回「KaBoSコレクション」の金賞(1位)に「文身」(岩井圭也著、祥伝社文庫)が決まった。今後1年かけて福井県、石川県、関東にあるグループ全21店で集中セールスしていく。

 埋もれた良書を掘り起こす読書の秋の恒例企画。書店員お薦めの11冊をノミネート作として特設棚に集め、9~10月の売り上げ1位を金賞とした。

 「文身」は、自らの破滅的な生きざまを私小説として発表していた作家が主人公。内実は、死んだはずの弟が黒子となって書いた物語の内容を、兄が実行に移して私小説に仕立てていた。共謀関係にある兄弟の行く末は―。衝撃のラストが待つミステリーだ。

 各店舗の特設棚に、書店員の「推し」の言葉が印刷されたオリジナル帯を巻いて平積み。サイン本も用意した。感動ポイントを手書きしたポップや著者のサイン色紙が売り場を彩る。3月頃にサイン会を計画中。

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 金賞作品は例年、グループ累計で2千冊前後のセールスを記録し、本屋大賞受賞作や映画化された話題作の売り上げに匹敵。重版につながる例もあり、書店員の目利きが生むヒット作として注目されている。

 「文身」は858円。

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