「人助けのつもりでやってきたらいつの間にか…」献血1000回 16歳からコツコツ47年 健康の秘けつは?

 16歳から献血を続けてきた沖縄市の西村裕一さん(63)が25日、那覇市の県赤十字血液センターくもじ献血ルームで千回目の献血を行った。県内では2人目。西村さんは「人助けのつもりでやってきたらいつの間にか千回になった。誰かの役に立つことはうれしいし、ここまで続けてきたことは誇り」と胸を張った。(社会部・垣花きらら)

 大分県出身の西村さんは中学卒業後に自衛隊へ入り、埼玉県内で勤務。入隊後初めての外出の時に最寄りの駅で献血バスを見つけ、社会貢献をしたいとの思いから初めて献血した。「人の役に立つことがずっとしたかった。16歳からできると知り、迷わず採血してもらった」と振り返る。

 転勤などで献血できない時期もあったが、54歳で定年退職。2018年に沖縄移住後は、献血バスの運転手やくもじ献血ルームの受付にも携わった。今では2週間に1度のペースで同ルームに通っている。

 西村さんが続けてきた献血は、血液から血小板などの必要な成分だけを取り出し、赤血球は再び体内に戻す「成分献血」。約45分と通常の献血よりも時間がかかるが、「いろいろな用途で血を使ってもらえると知って、成分献血に変えた。多くの人を助けられるなら時間は惜しまないよ」と笑顔を見せた。

 健康維持のため、毎日1万歩以上歩いているという。60代になった今でも「薬は一つも飲んでない」と健康そのものだ。「献血ができる70歳の年齢制限までは続けていきたい」と意気込んだ。

1000回目の献血を終え、スタッフから感謝状を受け取った西村裕一さん=25日、那覇市・県赤十字血液センターくもじ献血ルーム

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