ろうあ者の被爆体験を手話で 長崎市内で紙芝居を初上演 全通研長崎支部40周年記念で

手話による紙芝居を初上演した全通研長崎支部40周年記念式典=長崎市元船町、平安閣サンプリエール

 全国手話通訳問題研究会(全通研)長崎支部は23日、長崎県長崎市内で結成40周年記念式典を開き、ろうあ者の被爆体験を手話で伝える紙芝居を初めて上演した。
 同支部は結成当初から、ろうあ者の被爆体験の聞き書き活動などを続けてきた。40周年の節目に合わせ手話がメインの紙芝居を作ろうと、県ろうあ協会と共同でプロジェクトに取り組んだ。
 紙芝居は、2003年の平和祈念式典の際、ろうあ者で初めて「平和への誓い」を手話で述べた山﨑榮子さん(22年12月に死去)の人生を題材にした。タイトルは「私の手話(はなし)を聴いてください~山﨑榮子ものがたり~」。空襲警報が聞こえないなど、ろうあ被爆者の苦悩や平和の尊さを訴え続けた生涯を描いた。
 ろうあ者が手話で語り、同支部の若手メンバーが音声で伝えた。紙芝居の木枠や絵も、ろうあ者が制作。出席者約110人は、30分間程度の紙芝居を鑑賞した。県内の小中学校などで上演活動を展開する計画。
 全通研会長の渡辺正夫氏による記念講演もあった。

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