ウクライナと長崎県内の若者が交流 オンラインで歴史や文化紹介 触れ合い通じて世界を学ぶ

スクリーンに映るウクライナの生徒と記念撮影するメンバー=長崎市文教町

 長崎県長崎市内で23日、県内の若者とウクライナの若者がオンラインでつながる交流会が開かれた。県内からは13人が参加し、互いの国をクイズなどを通じて紹介して親交を深めた。
 県内有志の若者でつくる団体「ボーダーレスラーニング」(国境のない学び)が開催。発足のきっかけは、県内の公立高教諭の上村洸貴さんが、ロシアの侵攻が進むウクライナで戦火の中、教育を続ける教育起業家のことを知った約1年半前。「自分たちにも何かできるのでは」と考え、呼びかけた。「傍観者から共感者へ」をスローガンに、世界の問題に目を向け、各国と交流していく。
 1回目の今回は、国際的な関心の低下も懸念されるウクライナ情勢に対し、若者に当事者意識を持ってもらおうと、首都キーウ(キエフ)の中学生10人と英語で交流。キーウの生徒は歴史などについて紹介した。
 県内の若者は、ファッションや文化、言語について画像などを使って説明。寸劇で着物について紹介し「いつか日本に来て(着物を)着てみて」と呼びかけた。「僕のヒーローアカデミア」など人気漫画のイラストを見せると、キーウの生徒も笑顔で「知っている」と答えた。漢字の意味を考えるクイズや、早口言葉などで盛り上がり、画面を通じて交流を楽しんだ。
 川添愛さん(17)は「向こうの英語力が高くてびっくりしたけど、楽しんでもらおうとできた。リスニング力ももっと高めて、話せるようになりたい」、森尾桃香さん(17)は「ニュースでは戦争の状況やネガティブなものを見ていたけど、同じ生徒として対話できて良かった」と話した。
 今後も県内の若者を巻き込み活動していく。交流サイト(SNS)でも情報を発信中。インスタグラム(borderless.learning)。

© 株式会社長崎新聞社