「青森食材の良さ広めたい」那覇出身の比嘉さん Jターン/12月1日 弘前でピザ店オープン

まき釜焼きのピザ店を開店する比嘉さん(右)と妻の恵那さん

 那覇市出身で、東京都内でイタリア料理やナポリ風ピザの調理経験を積んだ比嘉大貴さん(35)が、妻・恵那さん(29)の地元である弘前市で12月1日にピザ店を開業する。沖縄でUターン創業せず弘前に「Jターン」する決め手になったのが、青森県産食材の魅力。比嘉さんは「ピザやイタリア料理を通じ、青森の食材の良さを広めたい」と意気込む。

 飲食店経営を目指し都内で働いていた比嘉さんは、原宿の人気ピザ店KEVELOS(ケベロス)で、シンプルでおいしいナポリ風ピザを食べ「これをやりたい」と決意し、2017年から6年間、同店で修業。恵那さんも同店の味に魅せられ、アルバイトを始めたのが2人の出会いという。

 結婚前に恵那さんの実家を訪れた比嘉さん。「青森県は野菜も魚介もおいしいし、沖縄にはない山菜もある。四季それぞれにいろいろな食材があることに感動した」。恵那さんも新型コロナウイルス禍を経て「故郷に帰り、街を元気にしたい」との思いが強まった。

 2人は今年4月に弘前へ移住。県内の生産者を訪ね歩き、県産小麦粉「ゆきちから」や果物のように甘い「津軽旨熟ミニトマト」、地場産ニンニクなど魅力的な食材を見つけた。

 また、イタリアを10日間巡って本場の味を体験してきた。

 2人の店のピザは、まき釜でパリッと焼き上げ、沖縄の塩で味を引き立てるのが特徴。お薦め料理はチーズをのせないシンプルなピザ「マリナーラ」と、トマトの甘さが引き立つサラダ「カプレーゼ」。弘前のシードルや地酒、沖縄の「オリオンビール」の生ビールが飲めるのも売りだ。

 店名は「pieno(ピエノ)」で、イタリア語で「いっぱい/ぎっしり詰まった」などの意味。2人は「おなかいっぱい、笑顔いっぱいになれる店にしたい」と語った。

 店は弘前駅前郵便局近く。電話050-8892-7754。

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