中学生唯一、福井県の14歳が内閣府の政策コンテストで局長賞 池田町の観光策を提案「役場へ行き説明したい」

地方創生☆政策アイデアコンテストで近畿経済産業局長賞に選ばれた冨永真希さん=福井県福井市の高志中学校

 データ分析に基づく地域活性化のアイデアを社会人や学生らから募る内閣府の「地方創生☆政策アイデアコンテスト2023」で、福井県立高志中学校3年の冨永真希さん(14)=同県鯖江市=が近畿経済産業局長賞に選ばれた。全国で局長賞を受賞した30個人・団体のうち、中学生は冨永さんが唯一。少子高齢化が進む同県池田町を取り上げ、多言語で町内の観光地やおすすめ度を紹介する「デジタルパンフレット」の作成によるインバウンド(訪日客)増加を提案した。

 地域の人口や産業に関するビッグデータをインターネットで公開する政府の「地域経済分析システム(RESAS)」の活用が応募条件。池田小学校出身の冨永さんは、高志中学校の探究学習「高志学」の中で今回のアイデアを考案した。

 町から提供を受けたデータから、町内を訪れる観光客のうち外国人は約0.1%にとどまっている点に着目した。「外国人旅行者をどう増やしていくかが重要」と考え、タブレット端末やスマートフォン向けの「デジタルパンフレット」を作り、交流サイト(SNS)での発信を立案した。

 出身国や言語を選択し、地図や観光地を母国語で紹介。気になる観光スポットを選ぶと出身国に応じた「おすすめ度」を表示する仕組み。「観光意欲を高め、池田町の観光の課題を段階的に解決できる」と提言した。「今後、池田町役場へ行き説明したい。アイデアを役立ててもらえたらうれしい」と話し、卒業論文にまとめる予定。

 コンテストは高校生・中学生以下の部と、大学生以上一般の部があり、今回は全国9ブロックで計1510件(うち高校生・中学生以下400件)の応募があった。近畿ブロックでは8件が局長賞に選ばれた。県内からは、大学生以上一般で福井大学大学院工学研究科の「竹本研究室チームあわら」も局長賞を受賞した。

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