一関学院OB、いざ「あの夏」へ 大会中止の年の球児、甲子園で再会

母校で後輩たちの練習を見る菅原諒太さん。「3年前の仲間と甲子園で野球ができる」と本番を心待ちにする=一関市赤荻

 甲子園の土、仲間とついに踏める―。2020年夏季県高校野球大会で優勝した一関学院のOBチームは「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児 野球大会」(兵庫県、29日~12月1日)に出場する。新型コロナウイルス禍で夏の全国選手権が中止となった同年の球児が集う交流大会。やり場のない悔しさを味わった当時の3年生17人が憧れの舞台で再会し、全力で白球を追う。

 「元気と笑顔がある。やっぱりいいチームですね」。日が落ちた14日夕、一関市赤荻の母校グラウンドを訪れた菅原諒太さん(21)は、来春のセンバツ出場を目指して真剣にバットを振る後輩たちに、3年前の自分の姿を重ねた。

 元球児大会は同じ無念さを味わった大学生らが実行委を結成。クラウドファンディング(CF)で資金を募り、当時の独自大会の優勝校などに参加を呼びかけた。菅原さんが仲間に提案すると、29人のうち17人から「参加する」と連絡が入った。同窓会や野球部OB会、教職員から支援金が寄せられた。

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