甲子園会館が4年ぶりにライトアップ 澄んだ空気、名建築に重厚な輝き

ライトアップされ重厚な威容を誇る武庫川女子大学甲子園会館=西宮市戸崎町(撮影・吉田敦史)

 国の登録有形文化財に指定されている武庫川女子大学甲子園会館(西宮市戸崎町)で25日、建物のライトアップがあり、4年ぶりに一般公開された。同会館のある上甲子園キャンパスで建築を学ぶ大学院生と学生が主体となって演出。澄んだ冬の夜空の下、重厚な建物が照らし出された。(浮田志保)

 同会館は米国人建築家フランク・ロイド・ライトの弟子、遠藤新が設計し、1930年に甲子園ホテルとして開業。東京の帝国ホテルと並び称された。

 ライトアップは2006年に始まった恒例行事。20、21年は新型コロナ禍で中止していたが、昨年、授業の一環として非公開で再開し、今年は千人に限定して一般公開した。

 大学院建築学研究科の院生と建築学部の学生らは、投光器125基の位置や向きを調整したり、タイルの多い場所は濃い電球色で温かみのある色を出したりするなど、工夫を凝らしてきた。参加した同研究科1年の向菜那さん(23)は「建物全体を想像し、光の当て方や角度を調整することでうまく影をつくれた」と話した。

 初めて長女(3)と訪れた女性(35)=西宮市=は「昼間に通りかかる時とは異なる、幻想的な姿でした」と笑顔を見せた。

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