豊後大野市がネパール・ムシコット市と友好交流の覚書 農業の労働力問題など課題解決へ連携【大分県】

友好交流の覚書を交わしたムシコット市のジブ・ラル・カレル市長(左)と豊後大野市の川野文敏市長=ネパール・ムシコット市(豊後大野市提供)
記念写真に納まる豊後大野市の訪問団一行とムシコット市関係者ら(豊後大野市提供)
ネパール・ムシコット市(豊後大野市提供)

 【豊後大野】豊後大野市は20日までの1週間、ネパールに訪問団を派遣し、同国ムシコット市と友好交流の覚書を締結した。同市出身のケシ・ラル・バハドウルさんが豊後大野市三重町小坂でキウイ農園「JNNアグロ」を経営している縁で、今後、友好協力関係を構築するための調査や研究、農業の労働力問題など双方の課題解決に向けて連携する。

 ムシコット市はネパール西部にあるルンビニ県グルミ郡にある都市。面積15.1平方キロで、人口は約3万人。

 2019年、当時のサプコタ・ソムナト市長らが豊後大野市をキウイ農園視察のため訪問。22年にはドゥルガ・スベディ駐日特命全権大使らも訪れ、豊後大野市に対し交流を持ちかけていた。

 豊後大野市の訪問団は川野文敏市長ら5人。ネパールの首都カトマンズなどを経由してムシコット市に入り、ジブ・ラル・カレル市長と覚書を交わした。同国の閣僚らとも面会した。

 豊後大野市によると、ネパールには大きな産業がなく、働き先を求めて出国する国民が多い。少子高齢化が進む豊後大野では農業などの担い手が減っており、技能実習生などとして受け入れることを検討。文化・芸術、観光面での交流も視野に入れている。

 川野市長は「これからがスタート。どのような友好関係に発展させられるか、しっかり考えていきたい」と話した。 

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