防衛力強化、43兆円堅持 円安で調達価格上昇でも、首相

参院予算委に臨む立憲民主党の辻元清美氏(中央)と岸田首相=27日午前

 岸田文雄首相は27日の参院予算委員会で、2023年度から5年間で防衛費を総額約43兆円に増やす方針を巡り、円安に伴う装備品調達価格の上昇にかかわらず総額は堅持する意向を表明した。「必要な防衛力を用意するために積み上げて閣議決定した数字だ。この範囲内で強化する方針は変わらない」と述べた。西村康稔経済産業相は、25年大阪・関西万博に出展するパビリオン「日本館」の建設や解体費を含めた総額を360億円に抑えたいと説明した。

 首相は、自民党派閥のパーティー収入過少報告問題について「各政治団体が訂正内容の説明責任を果たし、疑念を持たれないようにすることが重要だ」と強調。党と各政治団体は別組織で、首相自身も岸田派以外の政治団体の詳細は承知していないとした。

 立憲民主党の辻元清美氏は、防衛力強化と円安の影響に関し「装備品を減らすか大増税か、どちらかしかない」と指摘。首相は「為替の動向をしっかり見ながら、装備品のまとめ買いなどの工夫を凝らし、実質的な抑止力、対処力の維持を図りたい」と強調した。

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