「証拠もあり本人も認めている」「辞職は本人が決めるべき」町長の不信任決議案 賛否の根拠は 愛知・東郷町

愛知県東郷町の井俣憲治町長が職員にパワハラとみられる発言をしていた問題。27日は、町長に対する不信任決議が否決されましたが、どういったものなのか改めて見ていきましょう。

自治体トップが信任できないと考えた場合、議会には辞職勧告決議案と不信任決議案、これらの選択肢があります。

大きな違いというのが、地方自治法の法的な拘束力があるかないかです。辞職勧告決議案の方は、仮に可決されたとしても、法的な拘束力がないものになります。

一方で不信任決議案は、可決された場合は法的拘束力があります。

自治体トップは自ら辞職をするのか、議会を解散することになります。東郷町で今回、不信任決議案が提出されたというのも、法的拘束力があるからというのが理由だったそうです。

27日の臨時議会では、賛成派反対派それぞれ答弁を行いました。時に涙、時に怒号が飛び交う緊迫した場面も見られました。

出席した議員は全部で16人。全員が出席したんですね。可決ラインは、4分の3人ですから12人です。

可決のラインがずいぶん高いようにも見えますけども、これは町民が選んだトップですから、簡単にはクビにできないということで高く設定されてるんですね。

27日はどうだったかといいますと、賛成が10人、反対が6人です。可決ラインを2人下回ったということになるわけなんですね。

町長の不信任決議案 賛成派反対派 それぞれの議員の意見は

では、賛成反対それぞれの議員に聞いたんですけども、皆さんこういうお答えでした。

賛成派の方は「町民から辞職させるべきだという声が相次いでいる」と。また「証拠もあり、本人も何よりも認めている」ということ。そして、もう一つは「一刻も早く平穏な街を取り戻してほしい」と言っていました。

一方、反対派の意見なんですが、「まずは第三者委員会などで詳しい調査をすべきだ」と。アンケート調査もあったけども、あれも職員の私的なアンケート調査であって、公的なアンケート調査をしたり、客観的に見てほしいということなんですね。

そしてもう一つ、「断片的なデータと本人が認めただけで、町民が選んだ人を辞めさせるのはどうか」と。これは、音声データのことを示しているんですけども、前後もあるだろうと。それをちゃんと聞いてないのに、判断するのはどうかというです。

そして、そもそも「辞職は本人が決めるべき」という意見もありました。同じ証拠についても、どう見るのかというのが判断わかれたことになるんですが、大石の視点は、町長の辞職に関して、町長としての手腕とハラスメントの認識。これを両んびんにかけたときにどう判断するかということですね。

不信任決議案に賛成した議員の中には、、町長の公約実現力、その手腕を高く評価する人もいました。一方で、ハラスメントに関してはほぼ全員が言語道断だというふうに感じていたんですね。

今日の議員の判断を町民の皆さんはどう受け止めるのか。リコールを求める動きもあると話す議員もいましたので、今後も目が離せません。

不信任決議案は否決されましたが、そもそも自治体トップとしてこのハラスメント対策について、率先して手本を示すべき立場にいらっしゃるということを改めて肝に銘じていただきたいと思います。

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