J2優勝 神社回り神頼みまで… 「苦しい苦しい1年だった」 町田・黒田監督、青森山田高で凱旋講演

昨年まで教員生活を送っていた青森山田高校に凱旋したJ2町田の黒田監督=27日、青森市

 サッカーJリーグ2部(J2)のFC町田ゼルビアの監督に今季就任し、クラブ史上初となるJ2優勝、J1昇格に導いた黒田剛監督(53)が27日、昨年までサッカー部の指揮を執った青森市の青森山田高校に凱旋(がいせん)した。同校生徒ら約千人を前に講演し、プロ監督として1年で結果を出せた要因を「チームとしての一体感」と「チーム内で甘えを許さず、張り詰めた空気感をつくれたこと」などを挙げた。

 黒田監督は町田の今季最後の練習を終えた25日に来県。27日は、同校生徒のほか、昨年まで副校長を務めた青森山田中の生徒たちが見守る中、登壇した。

 講演で黒田監督は「選手、スタッフだけではなく組織として一致団結して初めて結果にたどり着くと改めて実感した」とチームが一丸となる重要性を説いた。

 生徒との質疑応答も設けられ、勝負勘に関する質問に対しては「日頃から自分の勘を信じられるように誰にも負けない準備をしている」と答え「試合前の朝には神社を3カ所ほど回り、神頼みもしていた」と裏話も披露した。

 講演後の取材に黒田監督は「自室で試合映像を毎日、これまでにないほど見て1日も休む暇がないほど。プロはこういう生活なのかと痛感した」と明かし「激動の、苦しい苦しい1年だった」と振り返った。その上で「J2優勝でサポーターが歓喜、涙する姿を見てすごいうれしかった」と苦しさを上回る喜びがあったとした。

 J1に戦いの舞台を移す来季に向け「日本最高峰のリーグでどれだけ勝負できるか。チャレンジャー精神を忘れず奮闘したい。良い成績を残して、またここに報告に来たい」と意気込んだ。

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