ハチや蚊にもう悩まない?小1生が「天敵」を虫よけグッズに オニヤンマ模型手作り「体の模様や羽に苦労」

自慢のオニヤンマンを服に付け、自由研究の成果を誇らしげに見せる鈴木啓翔君=三田市あかしあ台4

 スズメバチや蚊の天敵とされるトンボ「オニヤンマ」を模した虫よけグッズを、兵庫県三田市立あかしあ台小学校4年の鈴木啓翔(あきと)君(10)が身近な材料で手作りした。23日にあった地域のイベントではワークショップブースを設け、市内の児童らに作り方を伝授した。(橋本 薫)

 昨年の夏、蚊の多さに悩まされた鈴木君。ハチやアブ、蚊などの昆虫類を捕食するオニヤンマが天敵だとテレビで知り、ならば自分で作ってみようと夏休みの自由研究のテーマにした。

 材料は100円ショップで手に入るものばかり。胴体部分は10~15センチに切断したストローに黄色と黒のテープを巻き付ける。透明のクリアファイルを羽の形に切ってマジックで模様を描く。目はビーズで表現した。それぞれのパーツを両面テープなどで接着させ、帽子やシャツに付けられるよう安全ピンを取り付ければできあがりだ。

 シンプルだが、「体のしま模様や複雑な羽の線を表現するのに苦労した」と振り返る。約1週間かけて納得の作品ができあがり、「オニヤンマン」と命名した。

 虫よけの効果も実際に確かめた。家族で行った昨夏のキャンプでテントにオニヤンマンを取り付けると、蚊は寄ってこなかったという。オニヤンマの生態なども調べて自由研究にまとめ、「三田市小学校理科・生活科作品展」で審査員特別賞を受けた。

 「蚊に刺されたらイライラする。外国では(マラリアなどに感染して)死ぬ人もいる」。研究発表にとどまらず取り組みを広げようと、地域の児童や園児に作り方を教えることにした。

 23日には、あかしあ台公園であったイベント「防災・防犯フェスタ」にブースを出店。呼びかけに集まったあかしあ台小2~6年の20人が先生役となり、手本を見せながら丁寧に教えた。「お店の気分を味わいたい」と1回100円の料金も徴収した。

 夢中になって作っていた児童(6)は「羽を付けるのが楽しく、目は難しかった。帽子に取り付けたい」と笑顔だった。

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