京都市民の不満「観光客のスーツケース」これで解決? 臨時の預かり所開設

キャリーバッグを持つ観光客の列ができた臨時の手荷物預かり所(京都市下京区・JR京都駅前)

 秋観光のオーバーツーリズム(観光公害)対策として、臨時の観光案内所と手荷物預かり所が今月、京都市下京区のJR京都駅前に開設された。市民の不満が強い市バスの混雑の解消に向け、観光客に鉄道利用を呼びかけ、大型荷物の持ち歩きを避けてもらうのが目的で、初日からさっそく多くの利用があった。

 紅葉シーズンに合わせ、国土交通省近畿運輸局が市や運送会社、旅行会社などと協力して初めて実施。12月は2日(預かり所のみ)、3日の午前9時~午後8時で開設する。

 バスターミナル付近に設けた臨時の案内所では、スタッフが日英中韓の4カ国語で応対した。金閣寺(北区)や二条城(中京区)を目指す観光客らに「バスよりも地下鉄を利用した方が早く着く」などと周知。併設のブースでは「地下鉄・バス1日券」も販売した。

 手荷物預かり所では一時預かり(1千円)と宿泊施設への配送(1500円)を受け付け、キャリーバッグを持つ観光客の列ができた。母親と利用した広島市の会社員女性(39)は「コインロッカーがいっぱいだったので助かる。手ぶらで気楽に観光できる」と喜んだ。

観光客に鉄道利用を呼び掛けた臨時の観光案内所(京都市下京区・JR京都駅前)

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