薄明かりで奉納 榎津神社「上五島神楽」 荘厳な舞

薄明かりの中で奉納された獅子舞=新上五島町、榎津神社

 新上五島町で伝承され約400年の歴史がある国指定重要無形民俗文化財「上五島神楽」が24日、同町の榎津神社で奉納され、薄明かりの中の荘厳な舞を約100人が鑑賞した。
 上五島神楽保存会によると、同神楽は島内の各神社で伝承。約1.8メートル四方の板の上で舞う所作を基本とし、演目は30番に及ぶ。
 同神社は1203(建仁3)年に建立。今回、京都の提灯(ちょうちん)製作の老舗から直径120センチの丸提灯の奉納を受け、拝殿の舞板の上に飾り満月に見立てた。ろうそくをともし薄明かりの中で、魔をはらう「獅子舞」などが奉納された。また社殿の外で薪をたき、江戸時代の神楽の再現を試みた。
 宮田文嗣宮司は「電気がない時代はこのような奉納がされていたはず。厳かな幽玄の世界が現れた。今後も続けていきたい」と話した。

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