7月の大雨で被害を受けた神埼市脊振町の高取山公園で、災害からの復旧を願い、赤や青、黄などカラフルな雨傘約230本が色鮮やかに飾られている。斜面に花が咲いているように並べる「アンブレラフラワー」や、巨大な球体「アンブレラボール」が公園を彩っている。
7月の大雨で公園のテニスコートに土砂が堆積し、約2カ月間使えなくなった。猛暑も重なり、今年の夏は公園を訪れる人が少なかったという。4カ所が崩落した県道三瀬神埼線では現在も復旧工事が続いており、高取山公園から市内を元気にしようと、市商工観光課の職員が花が少ない時季にカラフルな傘の花を咲かせることを思い立った。
兵庫県淡路市の国営明石海峡公園からノウハウを学び、市や公園の職員が傘を並べた。来場者にも好評で、「ビー玉みたいにキラキラしてきれい」「近づいたら傘でできていて驚いた」などと話しながら写真を撮影する姿が見られるという。
担当者は「雨は災害ももたらすが、私たちの生活に必要なもの。うまく付き合っていこう、という願いを傘に込めた」と話す。12月末まで展示する予定。(樋口絢乃)