裁判員役の判断割れる 佐賀県みやき町・北茂安中生が模擬裁判体験 現役検事が助言

生徒が裁判官、検察官、弁護士役に分かれて模擬裁判を行った=みやき町の北茂安中

 佐賀地検の現役検事から裁判について学ぶ授業が18日、みやき町の北茂安中であった。3年生83人が強盗致傷事件の模擬裁判に臨み、裁判官、検察官、弁護士役などに分かれて裁判の流れを体験した。

 被告人役の教師が起訴状の内容を否認すると、弁護士が「検察官の示した証拠は不十分」との見解を示し、証人尋問では明確な証言が得られなかった。弁護士が無罪を求めたのに対し、検察官は懲役6年を求刑。難しい判断が求められる展開に、裁判員役の生徒の意見は分かれた。

 検察官役を務めた荒金友里菜さんは「有罪の証明は大変で、不十分なところもあった」と割れた判断にも納得した様子だった。有罪に決めた裁判員役の権藤優輝さんは「自分の判断で人生が左右される。裁判官って大変」と話した。

 佐賀地検の森亮太検事(28)は判決のポイントなどを説明し「具体的な理由を基に判決を決めていて感心した」と振り返った。(上田遊知)

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