地酒試飲の宇都宮「酒々楽」閉館へ 来年1月、建物老朽化で 移転先は未定

取り壊しが決まった県酒造組合の建物。1階に「酒々楽」がある=11月22日、宇都宮市本町

 県内30の蔵元で組織する県酒造組合(尾崎宗範(おざきむねのり)会長)は27日、宇都宮市内で開いた臨時総会で、「とちぎの酒」の魅力を発信する同市本町の試飲施設「酒々楽(ささら)」を2024年1月末でいったん閉館することを決めた。酒々楽の店舗と事務所がある建物の老朽化に伴い、建物を取り壊す。事務所は市郊外に移す予定だが、酒々楽の移転先は未定となっている。

 同組合は1947年、木造2階建ての事務所を借地に構えた。酒々楽は99年12月、1階にオープン。県内各地の酒蔵の銘柄を一堂に集め、利き酒を楽しめる場所として県内外からファンが訪れるようになった。

 現在は計約60銘柄が並び、営業する平日(木曜除く)の午後5~7時に、1杯100円または200円で提供している。

 臨時総会では、事務所移転や建物の取り壊しとともに、酒々楽の閉館が了承された。事務所の移転先は、宇都宮市平出工業団地の県JAビルを予定している。

 一方、酒々楽の移転先については地酒の魅力を広く発信するという機能や採算面などを踏まえ、市中心部などを検討しているが、めどはたっていないという。

 酒々楽の再開を模索する中、尾崎会長は「県内外の方が気軽に訪れて試飲できる場所や、既存の飲食店と競合しない販売方法などを検討しながら、営業を継続していけるようにしなければならない。時間はかかる」と話した。

いったん閉鎖されることになった「酒々楽」の店内=11月22日、宇都宮市本町

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