アユ使う伝統食「なれずし」 懐かしの「しっとり濃厚な味」今年も販売 兵庫県香美・村岡の道の駅2カ所で

鮎のなれずしをつくる田中勝英さん、真智子さん夫妻=道の駅あゆの里矢田川

 矢田川で取れたアユをご飯に挟んで発酵させた伝統食「鮎(あゆ)のなれずし」の販売が、今年も道の駅「あゆの里矢田川」(兵庫県香美町村岡区長瀬)と「村岡ファームガーデン」(同区大糠)で始まった。(長谷部崇)

 昔から矢田川の中下流域で秋祭りや正月のごちそうとして親しまれた伝統食。同区の田中勝英さん(67)、真智子さん(63)の夫妻が2015年から毎年、矢田川で取れたアユを漬けて販売している。

 冷凍保存しておいたアユのはらわたやえらを取り除き、数日塩漬け。水洗いしたアユの腹にご飯を詰め、寸胴鍋にご飯、サンショウとアユを交互に重ねて、重しをして本漬けする。温度管理が難しく、秋なら30日、晩秋にかかると45日ほど漬けるという。

 夫妻のつくるなれずしはしっとりと軟らかく、チーズのようにほのかな酸味があり、濃厚な味わい。昔の味を懐かしむファンも多いという。勝英さんは「今年はアユが豊漁で、例年より多めに漬けた。ぜひ食べてみて」と話した。

 冷凍で販売。大(20~22センチ)が1080円、中(18~20センチ)が864円、小(18センチ以下)が723円。

 あゆの里矢田川TEL0796.95.1369、村岡ファームガーデンTEL0796.98.1129

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