【チャンピオンズC/危険な人気馬】「脚質&ローテとも勝利ゼロ」でミスマッチか 前走完勝も“消し”判断

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今週はダート界の頂上決戦、第24回チャンピオンズC(GI、ダ1800m)が中京競馬場で行われる。

今年は、フェブラリーSとマイルCS南部杯を制したレモンポップを筆頭に、一昨年の覇者テーオーケインズ、交流GI3勝のメイショウハリオ、JBCレディスクラシック覇者アイコンテーラーや、昨年2着のクラウンプライドなど、頂点を決めるのに相応しい豪華なメンバーが集結した。

そんな中、3歳の新星セラフィックコールが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■大外ぶん回しでは届かないコース

今年2月にデビューし、無敗街道を突き進んで前走みやこSで重賞初制覇を果たしたセラフィックコール。5戦すべて上がり最速の末脚で勝ち上がっており、その豪快な決め手はGIでも、と期待が寄せられている1頭だ。

しかし、ややゲートに不安を抱え、道中の行きっぷりはひと息。大外に持ち出されてエンジンがかかってからの伸び脚は魅力的だが、大味なレースぶりはハマれば強い一方、凡走に終わる危険性もはらんでいる。

ましてや中京ダ1800mは、大外ぶん回しでは届きにくい難コース。枠順や道中の位置取りに結果が左右されやすく、歴戦の古馬相手にキャリアの浅い3歳馬が、上がりだけの競馬で勝ち切るのは容易なことではない。また、チャンピオンズCが中京で行われるようになった過去9年で前走4コーナー通過順が10番手以下だった馬の成績は【0.1.1.27】と、後方一気の競馬で勝ち上がってきたセラフィックコールにとって、あまり芳しくない成績という点もマイナス材料だ。

加えて、前走みやこS組は【0.2.4.27】で、出走数が多い割には勝利数ゼロといまひとつ結果につながっていないのも気がかり。勝ち馬9頭中8頭は「前年以降にGI(交流GI含む)を制していた馬」で、このうち6頭は同年のGI(交流GI含む)を勝っていた。高いレベルのレースを制するような経験値が求められる一戦であることが窺える。複勝圏内の30頭中、過半数を越える16頭が前走GI(交流GI含む)をステップに好走しており、格と実績がモノを言うレースということだろう。

これらのことを踏まえ、連勝中で勢いに乗っているからといってすぐに飛びつくわけにはいかず、人気面も考慮すると妙味は感じないので、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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