賄賂10万円「ボートレースなどに使った」と検察 京都の汚職事件、加重収賄罪の元理事初公判

京都地裁

 公共工事の入札情報を漏らした見返りに現金を受け取ったとして、加重収賄と官製談合防止法違反などの罪に問われた京都府宇治田原町の元理事、被告の男(61)の初公判が11月28日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 起訴状によると、2020年9月に宇治田原町が発注した公園造成工事の一般競争入札を巡り、同8月中旬~9月3日、京都府木津川市の土木工事会社の男性役員(54)に設計金額を漏らして落札させた上、返礼として現金10万円を受け取るなどしたとしている。

 検察側は冒頭陳述で、被告は当時、町建設事業担当理事を務め、決裁を通じて設計金額を知る立場にあったと指摘。受け取った10万円はボートレースや生活費に使ったとした。

 被告は21年6月、町立保育所の増築工事に絡む汚職事件でも有罪判決を受けている。

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