“新しい歴史”を刻み続ける甲府、J2勢としてACLのGS突破へ…主将の関口正大「J1昇格に届かなかった悔しさをぶつける」

[写真:©超ワールドサッカー]

ヴァンフォーレ甲府のDF関口正大が、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループI第5節のメルボルン・シティ戦に向けて意気込みを語った。

J2リーグ勢として史上初めてACLを戦う甲府。12日に行われたJ2最終節・モンテディオ山形戦で敗れ、2017シーズン以来となるJ1復帰の希望が潰えてしまったが、このACLではグループ第4節を終えて首位。日本サッカーの底力を見せつけるべく、素晴らしい戦いを披露中だ。

◆グループI順位表(第4節終了時点)
1.ヴァンフォーレ甲府|勝ち点7|得失点差+2
2.メルボルン・シティ|勝ち点7|得失点差+2
3.ブリーラム・ユナイテッド|勝ち点6|得失点差+1
4.浙江職業FC|勝ち点3|得失点差-5

◆第5節(11月29日)
甲府 vs メルボルン(日本時間19:00)
浙江 vs ブリーラム(日本時間21:00)

勝てば他会場の結果次第でグループステージ突破が決まる可能性もある第5節は、“ホーム”国立競技場でのメルボルン(オーストラリア)戦。前日会見に臨んだキャプテン関口は、前回の国立・浙江戦(第4節/4◯1)で勝利を大きく手繰り寄せるスーパーゴールをマーク。

冒頭の挨拶では「明日はグループステージ突破に向けて、とても大事な一戦になることは間違いありませんし、J1昇格に届かなかった悔しさを“ホーム国立”にぶつけたいと思います。今年日本国内でのラストゲームとなりますし、勝利で締めくくりたいですね」と、意志の強さを垣間見せる。

J2勢としてのACL参戦でありながら、昨年J1王者の横浜F・マリノスや川崎フロンターレとともに、グループステージ突破が近づいていることをどう感じているかとの質問が飛ぶと、特段意識していないと冷静に切り返した。

「先のことを考えすぎず、ここまで進んできました。初めてのコトだらけのACLですし、目の前の一戦に集中し、勝利だけにフォーカスした結果が今につながっているはずです。この姿勢は明日も変わりません。これまでの積み上げを国立でも発揮して勝ちたいです」

一方で、ACLにおける甲府は“新しい歴史”の連続。J2勢としての参戦はもちろん、第1節の敵地メルボルン戦は0-0ドローで初の勝ち点「1」、第2節の国立ブリーラム戦で初の勝ち点「3」、また現在はそんな甲府がグループIの首位に立つ。

それでも、「次々と新たな扉を開く意欲が湧いてきているのでは?」と問われると「プロ選手である以上、負けてもいい試合はありませんし、それは相手やシチュエーションの違いがあっても同じです。明日が非常に重要な試合なのは承知ですが、やるべきことは勝つこと。ここだけに集中して臨みたいです」と語った。

「J1昇格がなくなったのはショッキングでしたが、どんな状況でも応援してくださるサポーターの方々のため、これまでやってきたことを今回も表現し、勝利を届けなくてはなりません。この想いはチームで統一されています」

「国立にたくさんの方が観に来てくださることは、僕たちのモチベーションになっています。僕は特に何も心配していないというか、とにかくしっかり準備してきたモノを発揮する、表現するだけかなと思っています」

勝てばグループステージ突破も...いや、関口の言葉を借りるなら、シチュエーションにかかわらず、目の前の一戦に勝利することが大事。25歳のキャプテンが頼もしい言葉を紡いだ甲府。いざ、メルボルン撃破へ。

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